庭石、庭木

使い方次第で、雰囲気は大きく変わります。人目を楽しませてこそ、その冥利につきるでしょう。
先週から境内に、庭石や庭木の搬入が行われている。妻の実家から当寺に嫁いできているのだ。聞けば、実家の庭を手入れするらしく、弟子でもある義父が、自分が足を運ぶ師匠寺へ寄進したいとの事であった。実家の庭は何度か見たことはあったが、実際に庭石庭木が来るとなると、どこへどのように配置するかが重要である。何度も妻とイメージしながら境内を歩き、ここにあの木を植えたら… ここにあの石を置いたら… と話を詰めていった。
第一便で届いた植木類、その中の五葉松を玄関前に植えることに。職人さんの意見も聞きながら、大きな庭石も設置することになった。出来上がってみると事のほか雰囲気も良くなり、入り口の片側だけでは少し物足りないように感じた。急遽、当山の参道に設置する予定で置いてあった大石を、左右対称で配置してみることに。よく馴染んでいるではないか… 出来上がった庭石庭木は玄関を引き立ててくれていた。
当寺はお蔭様にて沢山の方から石や木を寄進していただいている。参道の石や樹木はほとんどそうである。黙って置いていても石や木に変わりはないが、定期的に世話をしてもらい、お参りの方の目を楽しませることが出来れば、その価値は増してくるものである。捨ててしまえばそれまでかも知れないが、石にしろ樹木にしろ何にしろ、持ち主の“気持ち”がこもっているものは、大切にしなければならない。