甲子大黒祭

大きさ・形・色は違えど、どの大黒様もいいお顔です。石像の大黒様にも法味を捧げます。
先般、毎年恒例の『垢穢落とし大黒祭』を執り行った。年に一度の“沐浴”を楽しみに、各家でお祀りされている大黒様がお寺に戻って来られた。前日までにご持参頂いた大黒様に、「今年もよく帰って来てくれた…」と、内心嬉しく思いながらススを掃う。その御神体には、一体一体気持ちを込めて経文をしたためたこともあり、まさに愛しい我が子のようなものである。始めは白木で白かった御神体も、日々の信仰や沐浴の影響もあってか、年々黒っぽくなって貫禄を増してきている。大黒様はもともと黒色のご容姿なので、黒くなるほど有り難いと信じられている…
私事になるが、3度目の大荒行を成満し「大黒相承」を受けて以来、その不思議な恩恵を大いに被っている。ことに「大黒」とご縁がある方々との関わりが深くなり、何かと“目に見えぬ力”を与えて頂くことが多くなった。まさに福徳の神様である。
『世間の楽及び涅槃の楽を得、貧窮の衆生には福力を与え、病ある衆生には良薬を与え、智無き者には智者と成し、短命の者には長命となし、悪心の者は善心と成す。』 南無摩訶迦羅福壽大黒尊天。