韓国の好青年


過日、息子が通っている学校の高等部「異文化交流事業」の一環で、修学旅行で日本に来ている韓国高校生のホームステイをわが家で受けた。今回は男子生徒一人で1泊の日程である。午後からの「受け入れ式」に親子で出席し、わが家で担当するキム君と顔合わせする。礼儀正しい、賢そうな好青年であった。早速、車に乗り込み一路、實相寺へ。我々は韓国語が殆ど話せないので、英語での会話となる。キム君は翻訳機も持参しており、ところどころ機械を使ってのやり取りとなった。今時の海外旅行はおそらくこんな感じであろう。車中、私たちがお寺に住んでいること、保育園を経営していることを話すと、興味津々の様子であった。間もなくして当山に到着。のどを潤し、その後境内を案内する。お寺や保育園を見学し、早速日本の文化に触れる。続いて、『福山自動車時計博物館』へ。多くのクラシック時計やクラシックカーに圧倒されながらの見学。キム君は自動車に触ったり乗ったりすることが出来ることに、驚いている様子であった。続いて、大手家電販売店にショッピングへ。本人の要望にて、腕時計を見に行く。韓国より日本の方が同じ物でも安く買えるようで、本人も自分のお土産にと決めている様子だった。ほぼ全財産を使って、お目当ての物を購入する。とても嬉しそうだった。

その後、スーパーで食材を購入し、我家で夕食をとる。日本食には殆ど抵抗がなく、逆に喜んで食べていた。一つ感心したのは、私が箸をつけるまでキム君はじっと待っていることと、お茶や水を飲む時は必ず両手を添えて飲むこと。“儒教の国”韓国ではごく普通のことらしいが、実に好感がもてる。
食後は、『ドラゴンジム』の見学へ。熱気のこもった道場で、パンチングや筋トレマシーンを体験し、最高師範との記念写真。森藤師範のただならぬ雰囲気に圧倒されている様子であった。その後、福山の夜景を眺め帰宅する。
翌朝は境内でのラジオ体操に参加し、本堂での読経を見学し、朝食を食べて、福山城周辺へサイクリングに出かけた…楽しい時間はあっという間に過ぎ、学校への集合時間となり、家族で送り出す。
今回のホームステイでは、韓国の“儒教の精神”や“学生の日常生活”等を知ることができた。寝る間を惜しんで勉強しているキム君が、立派な社会人となる事を願っている。楽しい想い出を有り難う。