七面大明神

今月21日の午後2時から当山勧請守護の七面大明神(しちめんだいみょうじん)の大祭を行う。七面大明神とは、日蓮宗・身延山久遠寺の裏鬼門を守る山門守護神として古くから崇信され、また「法華経」を信奉する人々の守護神としても有名である。
当山の七面大明神はことに“降雨成就の神”として有名である。安永年中に備後地方が大旱魃になり、領主阿部家の祈請により神社仏閣にて降雨祈願するもその効なく、当山の七面大明神に祈祷し速やかに降雨成就し、灯篭一対(現存)を奉納されている。また、備中(笠岡市)富岡に新涯を建築するも風災のため工事難を極め、当山の七面大明神に祈願し霊像二体を彫刻し、一体を潮留に埋没し、一体を丘陵に氏神として勧請し、工事の無事完成をむかえている。またこの時、大願成就の御礼に石鳥居を奉納されたとの記録もある。
祈願が成就したのは、神仏を敬う人々が一心に祈りを捧げ、純粋な気持ちが通じたからではなかろうか。そこには“自らの努力”もあったはずである。
神仏を信じる信じないは自由であるが、祈りを捧げる姿は実に美しい。
大祭では願主の祈願が成就に導かれるよう、一心に七面大明神に法楽を捧げたい。