母への孝養

先般、ある檀家の通夜・葬儀を当寺にて執り行った。74歳になる喪主とその姉は、亡くなられた99才の母が寂しくないようにと二晩母の横に枕を並べて寝泊まりされた。

自分を産んでくれた母親と枕を並べて寝れる時間は限られている。子どもの頃は当たり前のように一緒に寝るが、大人になるとそうした機会はまずないと思う。まして親が亡くなった時、親の側に付き添って寝れる人がどれだけいるだろう…

孝養は目には見えないようだが必ず伝わるものである。そして、故人から家族への「ありがとう」の声が聞こえるような気がした。