参道の松


3月に入り、温かな春の訪れを感じさせる時候となってきた。冬の間、ぐっと身を引き締めていた木草も、新芽を出すタイミングをうかがっているようである。
毎年、寒さ厳しき1月から2月にかけて、義父が参道の松の手入れをしてくれている。70とは思えないフットワークで、高所での作業も手際よくこなしてくれている。“松は手がかかる木”としても知られるが、20本にも及ぶ松の手入れを、寒さ厳しき折にコツコツとしている姿は、まさに“仏”のようである。
お寺に対する『布施』とは、なにも金品のことだけを言うのではなく、このような奉仕活動も尊い『布施行』である。日蓮宗寺院全国千ヶ寺参拝も無事昨年末に成就し、春の彼岸会ではその話も聞かせてくれる予定である。
神仏に対しての施しは徳となり、本人を始め、家族や身のまわりの人々に形を変えて還ってくるものである。当寺には、そんな篤信者が多数おられ、心から感謝している。