過ぎゆくお盆

暑さ寒さに関係なく、仏参が出来る人は素晴らしいと思います。
本年も“お盆”の「棚経」では檀信徒皆様の温かなるお迎えを頂いた。そして暑いさなか大勢のお参りを頂いた「盂蘭盆施餓鬼会」では、各精霊へ御回向を皆で捧げることが出来た。年々暑さが厳しく感じられるが、ことに今夏は雨が少なく、樹木もいささか疲れ気味である。そんなお盆中日、甘露ともいえる雨が明け方から大地を潤してくれた。ご先祖様からの、ささやかなプレゼントのような気がした。
棚経やお盆会法要にて感心することは、自分の子の代、孫の代にしっかりと“信仰の相続”をされている方が多いということだ。お盆で帰省しているお子さんやお孫さんがいれば、仏壇の前に揃って座り、またお寺に一緒にお参りしては、共にお経を捧げてくれる。これほど美しい姿が他にあるだろうか… 子や孫は親や祖父母の姿を、何気なく見ているものだ。親が手を合わせていれば、子も自然に手を合わせることが出来るようになる。これこそ“信仰の相続”といえよう。
本日、63回目を迎えた「終戦記念日」。戦いの悲惨さを忘れることなく、親から子へ、子から孫へと歴史の現実を語り継ぎ、犠牲になられた方々に手を合せ、心からご冥福をお祈りしたい。