井の頭公園

7月13日~15日にかけて、関東地方の棚経に出向してきた。昨年は震災間もなく、都内も節電の影響で幾分暗さを感じたが、今年は照明が暗いと感じることはなかった。しかし東京に住んでおられる檀家は、「みんな心のどこかで、節電を意識しながら生活してると思いますよ。」と、話されていた。今回の棚経は曇り空と風に味方され、さほど暑さを感じずスムーズにまわることが出来た。ありがたいことである。この度、一度行ってみたいと思っていた『井の頭公園』に行くことが出来た。そこはまさに都会の中の“オアシス”、沢山の人がそれぞれ思い思いに楽しんでいた。土と緑と水に囲まれた公園は思いのほか涼しく、訪れた人々の心を優しく潤してくれるようだった。

さて今回の目的は、公園内の彫刻園の見学である。北村西望氏の彫刻が数多く展示されているのである。北村西望(1884-1987)、長崎の平和記念像を制作した人物であり、現在の公園内のアトリエや作品は氏が東京都に寄贈したものである。作品の中には『快傑日蓮』『加藤清正公』もあり、法華信仰に傾倒していたであろうこともうかがえる。この日蓮聖人像を以前から拝見してみたく、この度念願かなって対面することが出来た。写真を見ても分かるように、作品は見る者に強く語りかけており、何やら“喝”を入れられたような気になった。「よりいっそう精進しなければ…」と思いつつ、パワーを頂き帰路についたのある。