サクラ サク

中学1年生の時、学校新聞の制作で当寺の石垣の取材に来てくれた透摩君。その年、翌年と『浄心水行』にも参加してくれ、実に聡明な中学生がいるものだと感心させられたものである。その透摩君から、「志望校に合格しました。」と、葉書が届いた。写真の姿からは、中学校生活での成長を感じることが出来た。彼はこの3年間で難関と言われる進学校に焦点を合わせ、学校では生徒会長も務めながら、日々努力を重ねてきたのであろう。 …心から祝福したい。
この時期、多くの学生が受験を経験したことと思う。一朝一夕で実力は身につくものではないし、また学業だけでも良識は身につかない。日々の積み重ねと共に多くのことを経験し、自分以外の人のためにも何ができるか考えることで、自ずと心身は成長していくものである。地中でしっかりと根を張り、風雪にも耐えうる力をつけ、美しく人々を喜ばせる花を咲かせることが、本当の“サクラ サク”なのである。これからの時代を担う若者達には、そんな日本人の心ともいえる桜の大樹になってもらいたい。