「再利用」の必要性
現在、当山では七面堂の改修工事を進めており、屋根には年代物の古瓦を葺いてもらっている。施工業者の藤井製瓦工業では、昨年末より古瓦をリサイクルした新事業を展開しており、マスコミでも取り上げられ話題になっている。当山では「平成大改修事業」に際し、本堂、鐘楼堂、宝物庫、水盤舎、井戸屋等の屋根には古瓦を葺いてもらっているが、わざわざ手をかけても古い物を再利用するということに、とても満足している。瓦のみならず木材や石材等も時代がかったほうが、味わいのみならず価値もでてくるものだ。
先週、福山商工会議所名誉会頭の松本様より古瓦をご寄贈頂いた。松本様からは、福山城東外堀の石垣を当寺に移築した際にも、石垣上に据える長石を数十本寄贈頂いており、何かとお心遣いを賜っている。当日は奥様が広い邸宅内をわざわざご案内くださり、また同行頂いたた筆頭総代、総代が見守るなか、藤井製瓦工業による移動作業が行われた。移動に際しては、福山城西病院さんも駐車場をご好意で貸して下さり、スムーズに作業が進んだ。こうして、皆様の善意の元に移動した古瓦が、再び当寺にて再利用されると言うことは、嬉しくもあり、また光栄なことでもある。
『再利用』、この言葉に、これからの我々に必要な多くの事柄が凝縮されている気がする…