お布施とは

「お布施はお幾らですか?」
このような質問を投げかけられる僧侶は、少なくないはずである…
そもそも“お布施”とは何なのか?「六波羅蜜(ろくはらみつ)」と言われる六つの仏道修行の一つで、“布施行”は「財施、無畏(むい)施、法施」の三つに分けられる。平たく言えば、「財物による施し、恐れや不安を取り除き、安心を与えること、法の教えを説き与えること」となろう。実際、“お布施=お金”と言うイメージが強いが、以上のように布施にも三種あることを理解頂ければ分かりやすいと思う。
我々僧侶は、葬儀や法事だけでなく、様々な場面で読経し、法の教えを説いている。人々の“願いや祈り”を成就に導くための読経、お祝い事や感謝の気持ちを捧げるための読経、自らの行動を悔い改めるための読経、悩みや不安を抱えた方の相談事や、日々出会う方々との会話など、様々な場面で「法施」や「無畏施」を実際に行っている。それは決して“金品”の為ではなく、心の“安心”の為といえよう…
「お布施はお幾らですか?」
「今の貴方が出来る、「法施」や「無畏施」に対しての“感謝の気持ち”、それが“お布施”ですよ。」