宮島・厳島神社「千畳閣法要」

左側の大きな屋根が千畳閣で、右手に見えるのが大鳥居です。雄大な千畳閣の回廊、時代を感じさせます。後方が五重塔。
日本で有数な世界文化遺産登録の地、宮島『厳島神社』の千畳閣にて、「法華経読誦大施餓鬼法要」が昨日執り行われた。まさに世界遺産に登録された平成8年から始まり、今回で第11回目となる大法要である。また1164年(長寛2年)、平清盛が一族の繁栄を願い奉納した「平家納経三十三巻」には、法華経二十八巻が書写されており、『厳島神社』千畳閣にて法華経を読誦させて頂くことに、不思議な“ご縁”を感じざるをえない。
毎回、厳島神社の宮司様からはご理解ご協力を頂き、有り難いことである。
「千畳閣」は、1587年(天正15年)、千部経読誦供養をするために豊臣秀吉が発願し、安国寺恵瓊を奉行として着手させたが、秀吉の死(1598)によって完成をみないまま今日におよんでいる。巨大な梁や畳が857枚もひける板間からは、当時の大工事の様子が想像できる。
大法要には日蓮宗声明導師、京都大本山妙顕寺貫首をはじめ全国から30数名の声明師、さらに今回は東京や岐阜からも檀信徒の方々が参拝に来られた。
法要が始まると、声明の美しい旋律や朗々と読誦される法華経に、檀信徒はもとより、諸外国の観光客も足をとめて聞き入っていた。特に初めて見るであろう僧侶の集団に、外国からの観光客も強烈なインパクトを受けたようである。
2時間に及ぶ大法要も無事終了し、遠く平安の時代から現在に至る法界萬霊に回向を捧げることが出来た。
神佛習合、神佛分離と時代の流れの中で神道と佛教は別々の道を歩んでしまったが、いずれも人々の“心の拠りどころ”であることに違いはない。小さな枠にとらわれることなく、日本が誇れる「伝統文化」を、世界にもっと発信していきたいものである。
僧侶が入堂し、大法要が始まります。声明と法華経が、堂内に響き渡ります。