供養のかたち

ご先祖様も、喜んでおられることでしょう。皆さん一生懸命に、御供養されていました。
各ご家庭にお伺いする「棚経」が終わると、14日の午前10時から当山本堂にて『盂蘭盆会(うらぼんえ)』が勤修された。檀信徒の皆さんがお寺にお参りし、各家のご先祖様や故人に対して「卒塔婆供養(そとうばくよう)」を捧げ、更に法界萬霊〈有縁無縁の全ての霊〉に対しても供養を施すのである。
当山の位牌堂にはこの時期、色とりどりの御供物がお供えされている。ご先祖様を想う気持ちがよく伝わってくる。法要が終わると「ブルガリア民俗舞踊団のホームステイ」の体験談を、笑いを交えて色々とお話させて頂いた。
この日の夕刻、福山古典芸能保存会のメンバーによる「二上り踊り」の奉納が当山にて行われた。そもそも「二上り踊り」とは、初盆を迎えられるご家庭の玄関先や墓前にて、故人の供養の為に踊られたようである。
まず弾き手、踊り手の皆さんが本堂に上がり、お経をお唱えして諸霊に供養を捧げ、その後おもてに移動し、踊りを奉納して下さった。
ライトアップされた本堂の前で、かがり火の幻想的な明かりに照らされた「二上り踊り」は、実にスローテンポで優雅であった。また、踊り手の中には、中学生や小学生のお子さんもおり、伝統がしっかり受け継がれている事を感じた。
町内からも多数の見物客がお見えになり、“昔ながら”を思わせる、ほのぼのとした雰囲気の中で、ゆっくりと時間が流れていった。
こうして多くの方がお寺に集うことは、ごく自然なことではなかろうか。共に楽しみ、共に笑い、そして時には涙する…これからも、お寺本来の役割を担いたいものである。
古典芸能保存会の皆さんと本堂にてご法要。幻想的な雰囲気の中で「二上り踊り」が奉納されました。