心からの施し

氷が張り、雪がうっすら積もった手水鉢 06.3.14
昨日から寒気の影響で冷え込み、朝勤で本堂にむかう途中外を見わたすと、薄っすら雪が積もっていた。心と体に凍みる光景だったので、思わずシャッターを押した。まさに“ホワイトデー”そのものである。
当寺は一昨年の7月から「原点に返る」をコンセプトに大改修事業を進めている。老朽化した建物の修繕、元来あった建物の復元、境内地の整備等々…
そんな中、福山城東外堀石垣の移築保存が実現したことも、偶然とは言えぬ運命的な流れがあったからのように思える。不思議なものだ。
今後は、今回の事業で偶然発見された井戸の整備、水盤舎の復元なども予定している。
これだけの事業となれば、檀信徒をはじめ関係者各位のご支援なくしては進められない。事業の着工から今日に至るまで、多くの方から「物心両面にわたるご支援」を賜っている。本当に有り難く、心から御礼申し上げたい。
今日はある方からご寄付の申し出を頂いた。それも追加の申し出であった。
「自分もご先祖様がいるからこそ今がある。そのご先祖様が眠るお寺の為に是非役立ててください」と。有り難いことだ。
また、事業開始当初から毎日足を運んで手伝いしてくださる方も当寺にはおられる。これこそ本当のほどこし“布施行”である。
“布施”には、財物を施す「財施」、仏法を説いて会得(えとく)させる「法施」、人々の恐れを取り除いて安らぎを与える「無畏施」の三種がある。また、金品や財物を与えることばかりが布施でなく、親切な行いも布施である。
私も仏法に仕える身、「施し」を受けることがあれば、別の形で「施し」をお返していきたい。皆様の気持ちにお応えすべく、本来お寺が担ってきた役割を取り戻し、全うしていきたい。